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美大・芸大で取得できる免許と資格は?美術教員免許と学芸員資格について

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美大に入学することが目標になっていて、大学に入ってから先のことまで具体的に見えている人と見えていない人がいると思います。

私は後者でした。
どちらかというと、まずは美大に入ることが目標、目的だったことから、大学在学中や卒業後にどうやって生きていくかなど、先のことまではあまり真剣に考えていませんでした。

そのため、大学で取得できる免許や資格があることは何となくわかっていたものの、4年生になるまでその免許と資格を取得しようと思っていませんでした。

親元を離れていたこともあり、気軽にそういった進路について家族に相談できる環境ではなかったということもあるかもしれません。
兄弟もいないので身近でアドバイスしてくれるような人もいなかったです。

なんて漠然としすぎた大学生だったのか。
今思うと、頑張って浪人もさせてもらって美大に入ったのだから、もっと真剣に沢山のことを学ぶべきだったのではないかと反省しています。

必修科目を修得していたため、思い付きで学芸員の実習に行くのに必要な講義を履修することができた私ですが、4年生になってから決めたのでも遅くありませんでした。

この記事では美術大学で、四年間のうちに取得できる免許・資格についてご紹介します。

美術教員免許状と博物館・美術館学芸員の資格

私が通っていた美大の日本画専攻(絵画科)では

  • 中学校教諭一種免許状(美術)
  • 高等学校教諭一種免許状(美術)
  • 高等学校教諭一種免許状(工芸)
  • 学芸員資格

以上の4点を、所定の科目を修得し、学部を卒業することで、免許・資格が取得できます。

美術教員免許状

教職課程を履修することによって美術の教員免許状を取得できるのですが、そのためには教育実習の単位修得が必要です。

免許状取得には事前事後指導分あわせて中学校で5単位、高校で3単位が必要です。

教育実習の実施期間については法令では明記されておらず、各都道府県の教育委員会によって異なるそうですが、中学校で3週間、高等学校で2週間とされます。

実際に教育実習に行っていた友人は、主に母校の中学校や高校へ実習に行っていたようです。

それにしても中学校で3週間の実習って長いですね!

中学生の時に教育実習生の方が来られてた記憶はありますが、そんなに長かったのでしたっけ。これは大変ですね。

ユッフィ

教育実習って大変なイメージがありますね

教員免許状は持っていても損はない

私自身は教員を目指しているわけではないし、母校は中学が埼玉で高校は東京

実習のためには愛知から埼玉の実家(当時)へ帰る必要もあったので、母校へ実習しに行くというのは大変だなという考えと、教育実習と学芸員実習の両方の実習を受けなくてはならないとなると、物凄くハードすぎると思い、教員免許状取得は目指しませんでした。

ですが、同期の日本画専攻のメンバーは意外と教育実習へ行く人が多く、教員免許状を取得したようでした。

教員免許状は持っていれば後々何かしら生かせることもある、ということだったのだと思いますが、そこは私も同様に学芸員資格と教員免許状の両方を頑張って取得しておくべきだったなと、今更ながら考えたりすることがあります。

ユッフィ

大変だったかもしれないけど、後々将来のことを考えたら頑張るべきだったかも?

教員採用試験を受けて採用されれば美術教員に

教員免許状は取得できたとしても、各都道府県で開催する教員採用試験に合格し、配属されなければ学校の先生として働くことはできません。
合格=採用、ではないようです。

現役大学生の場合は、3年生の秋から学習を開始し、4年生の夏に受験するパターンが一般的です。

教員採用試験とは?~EMPSより引用

身近に免許取得のみの人しかいなかったため存じ上げなかったのですが、現役で採用を目指す方は4年生の夏に受験するパターンが一般的なのですね。

美術教員の採用試験では、デッサンの実技試験もあるようです。

博物館・美術館学芸員資格

学芸員課程を履修することによって得られる資格、博物館・美術館学芸員

私は必修で取っていた講義の他に、博物館学等を履修すれば博物館・美術館学芸員の実習に行くことができるとわかったのが大学4年の時でした。

特に免許も資格も取るつもりがなかったのですが、せっかくなので学芸員の資格くらいは取得しておこうと思い、急遽、4年の時に必要な講義を履修しました。

ちなみに、実習先は第三希望くらいまで大学へ希望を提出することができました。

主に大学のある周辺の愛知、岐阜、三重を中心に美術館へ実習希望を出す人が多いのですが、私は希望する実習先の中に横浜美術館を入れていました。

当時の横浜美術館の館長をされていた教授が、西洋美術史の講義をしに横浜から愛知の我が美術大学まで来て下さっていたことや、横浜美術館がとても好きだったということもあり、希望を出してみたところ、縁あって学芸員実習を受けさせて頂けることになりました。

ユッフィ

教授の西洋美術史の講義が毎週とても楽しみでした

美術館での学芸員実習

横浜美術館での学芸員実習期間中は、埼玉の実家(当時)に帰省し、そこから片道90分かけて電車で毎日通いました。

当時はまだ、桜木町駅から横浜美術館が見えたのですが、今はたくさん建物やビルが立ち並んでいますね。

※横浜美術館は大規模改修工事のため、2021年3月1日(月)より全館休館。再開館は2023年度中を予定されています。

博物館実習の期間は5日間でした。

実習期間
・ 5日間以上とする。

文部科学省博物館実習ガイドラインより引用

往復3時間、実習のための課題などもあり毎日寝不足でしたが、大学とはまた違った美術館の現場での講義実習は本当に本当に楽しいものでした

一緒に実習を受けた学生は、12人ほどだったと思います。

全員が違う大学の学生で美術史を専攻し勉強してるとのことで、実際に絵を描いている美大生の実習生は私一人だけでした。

現場の学芸員の方や、館長である教授の講義を受けられたこともとても価値ある時間でしたし、自分たちが考えた美術展の企画のプレゼンをしたり、実際に作品を扱うときの扱い方など、様々なことを現場で学ぶことができ充実した5日間でした。

学芸員資格証は、卒業式の時に卒業証書と一緒に頂きました。

学芸員の求人は?

私が大学を卒業した時代は、インターネットがまだ普及する前の時代だったので、求人募集などは美術館に直接問い合わせたり、ハローワークで探すような形だったと思います。

現在は、全国の学芸員の求人情報などもウェブサイトから検索することができるため、探しやすくなっているように思います。

試しに「学芸員 求人」で検索してみたところ、大学のミュージアムでの資料や収蔵品整理や、歴史博物館における美術・工芸を中心とした資料整理、調査研究、展示、普及活動の学芸業務に従事などの求人を見つけました。

「学芸員は募集が少ない」と聞かされていましたが、採用人数は少ないものの、0ではないことが確認できました。

ユッフィ

美術に携わるお仕事はしたいなあと今も思います

まとめ 取得できる資格は取るべき!

大学卒業資格だけでなく、せっかく大学に進学したのであれば、大学の単位と実習で取得することができる資格は取っておいて損はないと思います。
むしろ取得した方がいいと私は個人的に思います。

正直、私自身は学芸員の資格を活用したことは卒業後一度もありませんし、現場での経験も全くありません。
学芸員の採用も少なく、転勤もあることから、この先この学芸員資格を生かせることがあるかどうかもわからないです。

教員免許の方が絵画教室を開いたりするのにも有利だったり、生かせることも多かったのかなと、最近感じています。

資格も免許も両方を取れるのであれば、大学生活のうちに頑張って取得して欲しいなと思います。

ちなみに、33歳で運転免許取得したのが私の唯一持っている免許状です。